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これから部屋に来れるかーい?
いいものあげちゃうよ!


こんなメールを寿氏から受け取りました
彼のいいものなんて大体ロクなものじゃないことくらい想像に易い
…けど、少し期待してしまう私は相当彼のことが好きらしいです



「来たよ」


「おーぅなまえちゃん!
こそよう!」


「こそようってなんだいアホ氏」


「ようこそだよマイガール!
アホ氏ってなんだい?!」


「なにくれるんですアホ氏?」


「無視かーい!
…まあいいや、じゃーんっこれでありまーすっ」


ウィンクしながら差し出した茶色い紙袋
なんだろ、ちっちゃい袋だ


「開けていい?」


「どうぞー!」


………、


「ありがとう返却します」


「わーお、想像通りのリアクション!」


「ピヨちゃんパンツじゃないかい!」


ばしっとアホにパンツをたたきつける
顔にクリーンヒット、あいたーい!って悲鳴を聞きながら私はアホにまくしたてる


「男ものをどうやって穿けっていうんだアホ!なに、あんた私を男だと思ってるわけ?!
ホモだったのかよアホ!!」


「そんなアホアホ言わないのー!なまえちゃんがアホになっちゃうよ!」


「なるかアホ!帰る!」


「わーっ!ちょっと待って待って!
これ女の子ものだってば!」


「は?!」


え?女物?私が見たときはそんなものなかったけど


「男物が人気出たから女の子ものも発売したんだってさー!
ね、ね、毎週日曜日におそろいで穿こう!
見えないところがお揃いってなんか良くない?!」


「見えないところがお揃い…」


う、なんか惹かれる響き
…パンツってのがなんか微妙だけど、まあいっか


「…いいよ、穿いてあげる」


「え?!いいの?!
ぃやったー!!!」


大げさに喜びながら私を抱き上げ喜ぶアホ氏
まんざらでもない私も、結構アホかもしれない

―パンツを音也、トキヤに自慢しようとして必死の形相の寿氏に止められる彼女であった


見えないところがお揃いです

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