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「れいちゃん、お土産」


ここはぼくの部屋
なまえちゃんは部屋に入るなり茶色の紙袋をぼくに差し出した


「え!うれしー!
中身見てもいい?」


紙袋を受け取る
中身は洋服かな?なんだかやわらかくて軽い


「どーぞ」


「わあい!ありがとう!
なになにー?

…ん?」


???
これは…?


「ぱ、ぱんつ…?」


「そう、ピヨちゃんパンツ
可愛いでしょ」


可愛いドヤ顔でこちらを見下ろすなまえちゃん
…いやいや、可愛いけどねよく考えよう自分
パンツはいいとして、ピヨちゃんパンツだぞ?
ぼくの年齢分かってるのかなこの子は?


「なに、嬉しくないの」


若干寂しそうな顔をするなまえちゃん
いや、気持ちは嬉しいんだようん
わざわざぼくに選んでくれたんだしね


「あのねなまえちゃん」


「なに?」


「…ごめんね、ぼくボクサー派なんだ」


そうこのピヨちゃんパンツ
何を隠そうトランクスなのだ
下着姿で抱き着いたことあるし、下着洗濯してくれてるから把握してるかと思ったよ


「うん、知ってる」


わお、把握しておられました


「じゃ、じゃあなんでトランクスなのかな…?」


「トランクスしかなかったの
ボクサーも探したんだけど」


しょぼんとするなまえちゃんはまるで子犬だ
って、パンツ探したの?!


「だ、だめだよなまえちゃん!
アイドルが男もののパンツ探してうろうろしちゃ!
てゆーかアイドルじゃなくてもだめ!なんかなまえちゃんが汚れる気がする!!」


「心配性だなあ嶺二は
大丈夫だよパンツくらい」


「だめだよ!!
手、手洗おう!」


「え、ちょ新品だよ?!」


「いいから早く!」


ぼくは強引になまえちゃんの手を取り洗面台へ
はあー、まったくこの子は何も分かってない




「ね、嶺二」


手をタオルで拭きながらなまえちゃんはぼくを見上げる


「なあになまえちゃん」


「パンツ、穿いてくれるよね?」


「…え?」


「トランクスだとかボクサーだとかどうでもいいでしょ?」


「い、いやいやなまえちゃん
男の子にはね大事なものがついててね
色々問題があるんだよ?」


「なに、問題って」


むっとこちらを睨みあげると腕を組み仁王立ちするマイガール
説明しないと納得してくれないようだ…


「んーと、非常に言いにくいんだけどね、その…
ブツがブラブラすると言いますか、、
定位置に収まらないと言いますか、、

分かるでしょ?」


「わかんない、ついてないし」


「ついてないとか言わない!」


「いいじゃんわたしの愛を感じられて」


「ぼく的には別の方法で愛を感じたいな?!」


必至に納得させようとするぼくになまえちゃんは
はー、と深く溜め息をついた


「…せっかく恥を忍んで買ったのに」


「うっ」


「嶺二にわたしの選んだパンツ穿いて少しでもわたしを感じてほしいのに」


「……」



「…穿いてくれる?」

「穿きます!!穿かせていただきます!」


「よろしい」



…彼女には敵わないようです

―数日後、ピヨちゃんパンツを自慢しまくる彼の姿があった


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