新novel | ナノ

午後5時
今日の仕事は粗方片付いた
あとは幹部長代理へ書類を渡すだけだ

棍棒待機室のドアをノックするといつも通りの馬鹿でかい声の返事が聞こえてきた

「パーチェ、この書類なんだけど…」


「ああ、書類?その辺に置いといて〜
ついでに机の上、片づけといて〜」


お願いねーといいつつ私の頭を撫で、廊下へ出ようとするパーチェ


「ちょ、ちょっとどこ行くの」


「お偉いさんと食事〜」

じゃねーと手をヒラヒラさせながら出て行ってしまった

・・・机の片づけってなんなんだ
食べ終わったお皿やら食べかすやら書類の山が雑にいくつも積み重なってる

仕方ないと大きめの溜息を吐いてみる

待機室にいるイゴールやピノが苦笑いしている


もうしょうがないなあ
お皿を片づけ机を拭いて
書類の山をなんとか整理する

…ん、山の下からなにか発掘したみたい



指輪…?

そういえばこないだ沈没船から見つけたっていってたな
パーチェの指には小さすぎるからくれたのかな


「ちゃんとメモもみてくださいよ!」


にやにやしてるピノに言われハートに埋め尽くされたメモをみる


「あいらぶゆう・・・」


「きっと、直接渡すの恥ずかしかったんじゃないですか?
…良かったですね、なまえさん!」


ニコニコのピノにうんと頷き、ハートとメモ、指輪を持ち
嘘を吐いたパーチェの元へ向かうは食堂


「やっぱりいた」


「うわっ!なまえ!」


座っていた椅子の下に隠れようとするパーチェ

「いや、その図体でそこに隠れようとするのは無謀でしょ」


「だ、だよね…えへへ」


少しの沈黙
破ったのは私


「ね、あの指輪ってさ」


「あ、ああ!指輪ね!うん!あれさ!沈没船から見つけてさ!
お、俺には小さすぎたからさ!うん!」


「くれるの?」


「ももももちろん!ああ!でも深い意味とかはないよ!ほんと!」


ものすごく焦ってる
耳まで真っ赤なパーチェってめったに見れないかも


「ふふっ
ありがと、もらっておくね」


「う、うん!あ、急用思いだした!行ってくるね!じゃ!」


「うん、またね」

結婚を意識しだした彼の行動
そんなにダッシュで逃げなくてもいいのに

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