新novel | ナノ
巡回当番、今日は私もレームもなし!

おかげでレームは夕飯食べてホテルに帰ってきてからずっとワインを呷ってる
わたしは飲む気分じゃなくてなんとなく飲んでいないのだけれど。


みんなの様子はと言うと、ココとバルメはベッドルームに居る
ココはパソコンを見ながらうんうん唸ってて
バルメはそれを幸せそうに見ていた


ヨナはワイリの授業を受けてる
夕飯を食べたあとだからすごく眠そうだ


ウゴとマオは部屋の前で見張り
きっとウゴはまたマオの家族の話を聞かされてるんだろう


アールはレームの隣りで少しだけワインを一緒に飲んでる
あ、隣りと言っても一つ席を空けた隣り。レームの隣りは私が許さない。うん。


トージョはパソコンをいじってる
…いつもの事だけどね


ルツはソファでゴロゴロしながらゲームをしてる
ゲームでもシューティングをやってるみたいで
いちいち「おっしゃー当たった!」とか「くそ!かわすなよ!」とかうるさい

そんなルツの様子に最初はみんななにも言わなかったんだけど
ついにレームが注意した

それも、ルツには効きそうな言葉で。



「おい、Mr.ケツ。ちょっと静かにしろ」


「だ、誰がMr.ケツだ!ルツだ、ルツ!」


顔を赤くして怒るルツにみんなは爆笑
トージョやアールはルツに指をさしながら「Mr.ケツ!Mr.ケツ!」と連呼しながら笑ってる

私も思わず吹き出してしまった


すると酔った様子のレームが隣りに座ってる私の頭を急に撫ではじめた


「お前はかわいーな、この」


うりゃうりゃと撫で回される
…レームの手、あったかくて大きくて安心する


「んー、可愛い可愛い」

レームは撫でるのに満足したのか次はわたしのほっぺにヒゲをジョリジョリし始めた
い、痛い


「レ、レーム酔っ払っちゃったの?」


普段はしないのに、みんなの前じゃ。
隣りに居たアールは「お、イチャつき始めた」とソファに退散してしまった


「酔っ払ってなんかねーよ、ヘッヘヘ」


「いや、明らかにいつもと違うんですが
て、ていうかヒゲ痛いです」


「おー悪い悪い」


悪いと謝りながらも頬ずりをやめないレーム
ほんとに痛いです、嬉しくもあるんだけど


「うーん、なまえ」


「なに?」


突然頬ずりをやめるとレームは自分の膝を指さし
「ホレ、ここ来い」

と、言い出した


「は、はいい?!」


「問答無用だ」


ヨイショっと、とレームの声が聞こえた時はもうわたしは持ち上げられていた
そしてレームの膝に無事着地。


「ちょ、ちょレームさん!」


「なーんだよ、俺の膝に座れないってか?」


抵抗して逃げようとするわたしを逃がさないと言わんばかりに両腕でわたしを捕まえるレーム
…ど、どうしようレームがこの状態だと非常にまずいかも



「おーい、おいMr.おっさん!見せつけんなよ!」


「そうそう、俺巡回サボってナンパ行きたくなっちまうだろ!」


「「ダッハッハ!」」


やっぱり、やっぱりからかってきた!アールとルツ

でもそんなの全く耳に入ってない様子のレームはわたしを離そうとしてくれない
てゆうかわたしの頭の上に顎を乗せながら器用にワインを飲んでる
ヨナの少し呆れたような視線を感じる
…うう、嬉しいけど恥ずかしい。複雑だ


って!

「うわわ!」

レームがわたしを急に抱き上げ歩き出す


「どこ連れてく気ですかレームさん!」


「部屋。」


一言だけそう告げると本当に男部屋に入ってしまった。
え、え、どうなるのコレ


「あー、もう俺は駄目だ」


「え、レームさんちょっと、」


「もう駄目だよ俺は」


ヘッヘと笑いながら私をベッドへ寝かすと上から覆いかぶさるレームさん
これ、わたしまずくない?やばくない?


「レームさん、ちょっと待とう!ね、いっかい待とう!」


「駄目だ、待てねーよ」


急に真面目な顔になると、レームはわたしに一つキスを落として、そして


そして…


「あ、あれレームさん?」


「ンー、…」


すぐ耳元でレームの規則正しい寝息が聞こえる
ね、寝ちゃったのか、良かった…のか?


少しだけ残念な気もするけど、ま、いいや
わたしを抱きしめたまま眠るレームに一回キスして抜け出す

って、

「ぬ、抜け出せない…」


レームはがっちりとわたしを抱きしめていて全く動けない
完全に抱き枕にされてる状態だ


「ちょっと、レームさん、ちょっと」


揺すって彼の名を呼んでも全然反応ナシ
むしろ薄っすら笑ってらっしゃいます


「え、わたし朝までこのまま?」


寝返りも打てないんですが、レームさん
…でも、ま


「いいか」

目が覚めて自分がなにをしたのか全く覚えてない自分に慌てるレームさんなのでした

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