新novel | ナノ

普段は俺とルツ以外には甘えないアイツ
なのにこの状態はなんだ

アールに寄りかかるようにソファに座っているなまえ
アールは寄りかかるなまえのデコとデコをくっつけて、なにかを囁いた
なまえは軽く頷くとより深くアールに寄りかかった


俺が後ろから近づくとアールはホッとしたような気まずいような曖昧な表情を浮かべた

「…ん、レームのおっさんか
なまえ、熱あるみてーなんだ
レームのおっさんもルツも、見張りでいないってんで、」


「アールがみてくれてたのか、悪ぃな」

アールの言葉を遮り、なまえの顔を上に向かせデコとデコをくっつける
なまえは、んん、と反応したかと思ったら俺に抱きついてきた


「結構熱あるな、平気か」


「れーむがいなきゃだめ、しんじゃう
ね、いっしょにねよ?」

熱のせいなのか子供のように甘えてくるなまえ
…こんなふうにアールにも甘えてたのか、まったくしょうがないヤツだな


俺はなまえを抱きかかえ、空き部屋へ向かう
ベッドになまえをやや乱暴に降ろすとなまえは
いたあい、と文句を言いながら服を脱ぎだす


「あっついよお、」


「コラ、服は着とけ」


「だあいじょうぶ!れーむもぬいで?
くっついてねたらすごくあったかくなるしあんしんするよ?」


「ヘエヘエ、分カリマシタヨ」


もたもた服を脱ぐなまえを手伝ってやり、布団を被せる
俺も服を脱ぎ、布団に入りなまえを抱きしめる

なまえの体は熱を帯びていて目は潤っていて頬は赤くなっている
正直、生殺しというか、厳しい状況なんだが
なまえの体調を考えると事に及ぶのは控えたほうがいいだろう

…ところで


「なあ、アールとなにかしたのか?」


「へ?なにかって?」


「ホラ、熱をデコで計ったりとかヨ」


「ああ、熱はそうやって計ってもらったよ
ブランケットもかけてくれたよ」

「それだけか?」


「んーと…、あ、
体がだるいって言ったら寄りかからせてくれたよ」

「ほーお、珍しいな
俺とルツ以外に甘えるなんて」


「だってれーむもるつも見張りだったし…」


「だからって他のヤローに甘えるのはどうかと思うぜ?」


「ご、ごめんなさい
別に変な意味で寄りかかったわけじゃなくて…」


「どうだろうなァ
あのイケメンアール君に優しくされたら女ならコロッといっちまうんじゃねえか?」


わざとニヤリと笑って厭味をいっちまった
なまえは目にうっすらと涙を浮かべている



「れーむ、すき、すきなの
だからはなれちゃいや」


「俺は離す気はさらさらねェ」


「じゃ、じゃあなんでつめたくするの?
いまのれーむ、すこしこわいよ…」


「鈍感ななまえチャンに教えてやる
…俺以外に擦り寄ったりするな、囁かれるな、甘えるな
ルツは兄貴だから別にいいがヨ

アールは仲間とはいえ男だ、なまえみてェなカワイコチャンが擦り寄ってきたらたまらねえだろうよ」


「ご、ごめんなさい
気をつけます…」


しゅんとするなまえ
ここで終わらせてもいいが、ま、オシオキでもしておくか


「なまえ」


「なあに?…んん?!」


なまえに無理やりキスをする
熱のせいで上手く抵抗できずもぞもぞするだけのなまえは今すぐ喰っちまいたいくらい可愛い
頭を押さえ込み深くキスをする
相変わらずもぞもぞと弱い抵抗をするなまえの腰に手を回し乱暴に引き寄せる

足でなまえの足を押さえ込む

やっと口を離してやるとなまえは荒い息を吐きながら顔を真っ赤にさせ


「れーむ!わたしびょうにんなんだからやさしくして!」


と抗議してきた


「ばか、アールといちゃついたオシオキだ」


そして俺は仰向けに寝たままなまえを上に乗せる
まるで騎乗位のような格好に更に顔を赤らめるなまえ


「や!や、わたしはだかなのに…!」


「自分から脱いだんだろ?」


「そ、それはそうだけど!
変な事はしないと思ったから!」


「しないとは言ってないゼ?」


「え!え!や、どうしよ…?!」


混乱したなまえは俺に覆いかぶさってきた


「なんだ、積極的じゃねえか
その気になってきたか?ヘッへ」


「ちが!も、おりる!」


「なんだ、裸でくっついて寝ると温かいって言ったのはなまえじゃねえか
降りるなよ」


なまえの腰を捕まえ俺の腰にぴったりと引き寄せる


「っや!れーむの、おっきくなって・・・!」


「そりゃ好きなオンナが裸で上に乗ってりゃそうなるだろ」


「んん、も、ゆるして…」


そろそろ許してやるか…、


「分ァかったよ、もう許してやる
ただ、…熱が下がったら覚悟しとけよ?いいな」


「うう、ワカリマシタ…。」


今まで、正直嫉妬なんて感情を知らなかった
嫉妬という感情に軽い混乱さえ覚える

だがなまえの場合は違う
他のヤローに寄り添っただけで、熱を計られただけで

イライラしちまう


なまえ、お前は俺のもんだ
他の男になんかやらねえ
相手がこの部隊の仲間以外なら殺してやる

なまえ、こんな俺の内側を知っても俺をこれまでと同じように愛してくれるか



「れーむ、だいじょうぶ、だいすきだよ」


考えが読まれていたのか、なまえはニコリと俺に笑いかけた

俺はその一言で冷静さを取り戻した


「なまえ…、ゴメンナ」


「んーん、レームだいすき!」


えへへっと笑いながら俺に抱きつくなまえ


嗚呼、なんて素直で可愛いオンナなんだ
見た目は年相応なくせして妙に子供っぽいところがまたいい

そんななまえはもう眠りにつく直前のようだ
笑顔を浮かべて寝る彼女に触れるだけのキスをして俺も眠りについた

翌朝、俺はなまえの絶叫で目が覚めた
ついでに布団もすべてなまえに奪われていた


「ンだァ?
つーか寒い!布団かえせ!」


「なななななんでわたし裸なんですか!
そしてレームもなぜ裸!」


「いいから布団かえせ!
っつーか昨日の事覚えてねーのか!」


「昨日…?なんか体がだるくてソファに座ったことまでは覚えてます
それ以降はあんまり…」


「ハアアアアアァ…」



心のそこからため息をつくとなまえは慌てたように俺に詰め寄る

「あの!わたしなにかしましたか!」


「あー、熱がでたから裸で一緒に寝てって言っただけだ」


「それだけですか!って何故裸?!」


「しらねーよ、お前が裸がいいっていったから脱いだだけだ」


「あ、あのそれ以外は何もしてないですよね!」


「あーしてねェしてねェ」


「ああ!よかった!っというかご迷惑おかけしてごめんなさい!!」


「いーや、別に構わねェよ」


俺が嫉妬したなんて事も忘れたんだろうな
好都合だ
慌てるなまえも可愛いし、今日はいい朝だ

笑う俺を不思議そうに見るなまえを布団ごと抱きしめた


かわいすぎて焦燥

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