新novel | ナノ

わたしが洗面台の前に立っているとき、
わたしが髪を結っているとき、
わたしが無防備に立っているとき、トージョは大抵わたしの後ろに回りこんで
わたしのお尻を撫で回す

そのたびに回し蹴りを食らわすんだけれど
懲りずに何度でも来る、もうしつこいくらいに


「トージョ、知ってる?わたししつこい人嫌いなんだよね」


「ああ、知ってる
俺に触れられる事が満更でもないって事も知ってる」


「しにたい?」


「なまえの蹴りで死ねるなら本望だなあ、でも最後に抱きたい」


「素直すぎるのもどうかと思うよ、」


後ろから抱き寄せてくるトージョに身を委ねて手を重ねる
わたしの首あたりの匂いをかいで満足そうに鼻を鳴らすトージョ


「…変態ってトージョの事を言うんだと思う」


「え、何をいまさら
俺からしたら俺を好きななまえも十分変態だと思うよ」


「トージョほどではないよ、わたし知ってるんだからね
こないだの事」


「こないだの事?思い当たる節がありすぎてどれだか」


「…アールにわたしの体の話してたでしょ」


「ああ!そのことか」


思い出し、パッ顔をあげると
わたしのこめかみにキスを落とす


「なまえの尻は最高の形で最高の触り心地、
くびれも半端ない!…て話だろ?」


「トージョ、割とさいていだよ?」


「え、なんで?」


「彼女の個人情報ばっちり漏らしちゃってるんだから
わたしはトージョだけに知ってほしかったのに」


わざとらしく上目遣いでちらりと見てやると
トージョはうろたえて、ううと呻いた


「だから、これから一週間わたしの体触るの禁止ね」


「はああ?!そりゃ無理だ!死んじまう!
なまえこそ耐えられるわけ?!」


「わたしはルツ兄に巻きつくから平気」


「おいおい!そりゃねえだろ!」


「もし触ったらその日からまた一週間禁止期間が延びるからね」


「そういうことなら今すぐ色々触っておく!…なまえ、覚悟」


トージョの目の奥が光ったかと思ったら洗面所の鍵をがちゃりと閉めて
洗面台にわたしを持ち上げた


「ちょ、ちょっと!一ヶ月禁止にするよ?!」


「無理無理、一ヶ月なんてなまえのほうがもたないよ」


にやりと笑ってわたしの首筋を舐めあげる
思わずひやっと声を漏らすわたしに今度は優しく噛み付いて


「なまえ、無理はしない方が楽だよ?」

と、笑った

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