新novel | ナノ


「レーム!はーみがいて!」


「…いくつかな、お嬢ちゃん」

ソファで新聞を広げるレームの上に無理やり乗って口の中に入れたハブラシをアピールするわたし
呆れながらも笑ってるレームは読んでいた新聞をバサッとローテーブルの上に放った



「はー!み・が・い・て!」


「はあ…、まったく困った我侭子犬を拾ったもんだ、ヘッヘ」


ハブラシを上下に揺らすわたしの頭を一撫ですると自身の太ももに頭を乗せるよう指示する


レームの太ももは硬くて高さもそれなりにあるからクビが疲れるよ
そんなわたしの苦悩もおかまいなしに歯磨きを開始するレーム



「はい、口開けて」


「あーい」


「虫歯はないみたいだな」


「なひよー」


「次、イーッてしろ」


「はひー」


「お前、歯並びいいな」


「でひょ!うひょひょ!」


「ッコラ!唾を飛ばすなっつーの!」


「ごめんなひゃいー」


「まったく…、ホラ終わったぞ」


「えー!もうおわり?
もっとして!」

「はいはいお終い
さっさと口ゆすいでこい」


「ううー、わかったよおー」


歯磨きが終わるとわたしの頭を持ち上げ、シッシと追い払う動作をするレーム
口ゆすぎ終わったら絡みに絡んでやろーっと!


「レーエッム!」

「っと、なんだよこの馬鹿犬」


「んんー馬鹿犬だから飼い主様にスリスリしたるー!うりゃうりゃー!」


「ああーうぜえ、あっちいってろ馬鹿犬」


「いーやーだーよーだ
大好きレームううう!」


「おいおい、体中にキスなんかすんなよ馬鹿
大人しくしてろ馬鹿」


「レームの隣りでなら静かにしますよ!」


「俺は大人しくしろと言ったんだよ
誰が腕を絡めて頬ずりしろといったんだ、ん?」


「えー、でも騒がしくしてませんよー?」


「ハアー、コイツはもうしょうがねえな」



トージョ
「なんだかんだ言ってるけど終始ニヤけてるよな、おっさん」


ルツ
「2人っきりのときなんかデロデロなくせにな、おっさん」



バルメ
「アホ犬とアホ飼い主ですね」

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