新novel | ナノ


「はあー、なんだって俺のとこには使えねーヤツが集まるんだってゆー」


ため息をつきながら愚痴をこぼす私の上司、スケアクロウ

ショコラーデはそんな上司を完全シカトだ
もちろん私もシカトをかましているのだが


「おい!ショコラーデ!ジェシカ!ちっと張り込みいってこい!ココ・ヘクマティアルのとこだ!」


「!!」


ココ・ヘクマティアルの張り込み!きました!
想いをよせるレームさんにお近づきになるチャンスです!


「えー、スケアクロウさんの人使いの荒さ、異常っす」


「るせー!早くいってこい!クビにすんぞ!」


「スケアクロウさんにそんな権限ないっすよ」


「うるっせーつってんだろ!ジェシカ、早くコイツ連れていってこい!」


「了解です!」


面倒くさがるショコを引きずり、目指すは日本です



「あの国湿度高いから苦手っす」


「まあまあ、たこ焼きでも食べようよ」


「あ!それがあった!よーっし!行くっす!」



ゲンキンなヤツ…。



−−某時刻、日本


ココ
「アレ、ショコラーデとジェシカじゃない
日本までご苦労さま」


「ココちゃんもたこ焼きっすか!さすがっす、このお店のたこ焼き絶品っすよね!」


大阪につくなりまずはたこ焼きの店へ!と強引にショコラーデに連れてこられた先でまさかのココ・ヘクマティアル部隊と遭遇してしまった

張り込み失敗じゃない、これじゃ
でも!でもでも!あのレームさんも一緒です!早速話しかけましょう!


「レ、レームさん!」


レーム
「ン?お、ジェシカじゃねーか
仕事か?」


「はい!
今回はショコラーデと一緒に」


「そーか、ご苦労なこったあな
ヘッヘヘ」


たこ焼き屋の脇で煙草を吸うレームさん
2人きりなんて素晴らしい!

と、いうか携帯の番号を聞くいいチャンスです!
…いや、そんなものは調べればすぐ分かるんですがね、やっぱり好きな人の番号は直接聞きたいというかなんというか…


「なんだよ、んな俺の顔見つめて
取って食っちまうぞ」


「な、な!
どうぞ!」


「ッヘ!どうぞじゃねえだろ、そこは」


煙を吐きながら笑うレームさん
ああ、私は貴方のヒゲになりたいです!


「あ、あのレームさん!」


「なんだ、ジェシカ」


「よ、よろしければ
け、携帯の番号をお教えください!
仕事用の携帯で結構なので!」


「あー、俺は仕事もプライベートも分けない派なんだよ
それに大体着信に気付かねえぞ」


「それでも!それでも結構です!」


「ヘッヘ、変わった奴だな
それにお前くらいなら俺の番号なんてもう知ってると思ってたぜ」


「い、いや他の方の番号は知ってますが、レームさんの番号は知らないんです」


「ほー、他のやつのはもう聞いたのか
妬けるな」


「や、妬ける?!
何をおっしゃいます!」


「お前はすぐ真っ赤になって面白れーな」


「か、からかったんですね!
か、からかってるんですね!」


「からかってなんかねえよ、なまえチャン」

「え、あ、アレ?
なんで私の本名知ってるんですか?」


「俺はな、気になる情報は徹底的に調べる事にしてんだ
どんな手を使ってでもな」


「気、気になる情報…?」


「ホラ、俺の番号だ」


携帯を少しいじると私に画面を見せるレームさん
その携帯にはきちんと番号が表示されている


「あ、ありがとうございます!
…登録完了しました」


レームさんの番号を打ち込み終わるとレームさんはまた携帯を少しいじる
…と、私に携帯を投げた


「お前の番号、登録しとけ」


「あ、はい」


「もちろん、プライベート用のな」


「へ?
は、はい」


打ち込み終わり、携帯をレームさんに渡す


「ヨシ、イイコだ」


…頭を撫でられる
私、子供扱いされてるんでしょうか?



「なまえ」


「なんでしょう?」


「今度の休みはいつだ」


「えっと、来週の月曜日です
…予定では」


「分かった、なら来週の月曜日
空けときな、どっかに連れてってやる」

「ほ、ホントですか?!」


「ああ、イイコにしてたらな」


「はい!私イイコにしてます!」


「ヘッヘヘ、面白れーヤツ」



アール
「アレ?ジェシカじゃん!
今度デート行こうぜ」


「お断りします!私、好きな人と以外はデートしませんから!」



アール
「わーさりげなく傷つくなあ」


レーム
「ホーント、飽きない奴だな」


ココ
「おーい、みんな
そろそろ仕事再開するよー!」


アール
「りょうかーい、ジェシカ、またな!」


「レームさん!またね!」


レーム
「またな、”ジェシカ”チャン」



アール
「俺は綺麗に無視か」


-END-

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