そして今、本屋に寄ったんだけど






(んん…どこか全く分からない…)







今まで読んだ事なかったジャンルだから、どの棚にあるのかさっぱりで。







(よし、駄目だ。
店の人に聞こう!)






頑固じゃダメだよね
潔く潔く!





心の中で言い聞かせて、早速案内してもらうと






(わぁ…!)







目の前には彩り豊かな写真が沢山飾ってあった。






こんなに沢山あったんだ―――






本を取り出してパラパラと見る。
おにぎりの上手い握り方、アレンジレシピ、美味しく作るコツ…言い切れない位沢山載っていた。






初めてのマネージャーは分からない事だらけだ。
部員がいつも、ベストな状態でプレイ出来るように考える。
それこそ食事から。

基本練習の合間に食べるおにぎりを作るのは私の役目。
皆美味しい!って食べてくれるけど






(私の努力次第でもっと美味しい物作れる筈だよね)






皆の喜ぶ顔を








『うめぇじゃねぇか泪!』









元親先輩の笑顔をもっと見たい










笑顔を向けて欲しい









「………………」









(って何考えてるんだ私…!)










顔が熱い
胸が熱い

―――周りの視線が痛い





(早く買って出よう…)





いそいそとその場を後にして。






「―――ありがとうございました」






またお越し下さいませー…―――

遠くに聞きながらぼーっと考える。








何でこんなに






「………」







元親先輩を考えると








考えるだけで嬉しくなって












「………」












少し切なくなるんだろう













「……」












先輩に彼女がいるかは分からない
噂がある訳でもない







でも聞けないの







知ってしまったらきっと
この気持ちじゃ居られなくなるから








好きだから










「元親、先輩…」










一歩踏み出せない




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