ッ…




元親様―――…。





澄んだ青空だった。
私は筆を取り、一つまた一つと言葉を綴っていく。






彼とは暫く会えていない。
とても忙しいのだから…仕方ない、そう





致し方ないのでしょう…





なれど…このままでは嫌なのです






このままではいけないと分かっている









寂しい


会いたい


こんなにも







貴方様が恋しいです




なのにこのままでは…終わってしまう、そんな気がして




私も貴方も






だから決めました





文をしたためようと







私の気持ちを元親様にお伝えしようと











どうか―――









…コトッ、

硯に筆を置いて目を伏せた。




どうか






―――貴方様の気持ちを
   お聞かせ下さいませ―――





「……」




心の中で呟く。
したためる勇気等なかった。












ァ――――――…
風が吹く。
だがそれはドタドタ…という音に変わって。
驚き私は文を懐にしまった。






「―――此処にいやがったのか!」

「え…」

「え…じゃねぇだろ!今日連れてくって文に書いただろうが」

「左様なもの…頂いておりませぬ」

「貰ってねぇ…だと?」




咄嗟に黙り込んで
元親様は怪訝な顔で暫し考え込んだ。

そして沈黙。





―――グイッ、

「!!」





そして突然私の腕をとって





「まぁ…いい、過ぎた事を言っても仕方ねぇしな
―――海に出るぜ!亜希」

「あっ…元親様…!」



有無を言わせず私の手を引いて。
ニッと笑う彼。
その太陽のような笑顔で呼ばれた私の名。
今に私には苦しくて。
胸が締め付けられた。

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