「―――…聞いたぜ、あんた家族がサツなんだって?だから正義面してオレらの邪魔すんだろ」





目の前の不良がぼやく。





「つってもコイツのしてるのだってただの暴力じゃねぇか」

「オレ達は市民だぜ?」

「市民を殴って解決してイイ人気取りか?え?」





ひでぇなぁ、アンタは





―――ギ






「だったら、問題を起こさないで」





歯を鳴らし、拳も握り締めていた。






「おーっと殴るのか?」

「!!」





はっとして。
ぴた、と降ろしかけた拳が止まる。






「なーんて、な」

「ぁう!」




ニヤ、と笑った男に腕を掴まれ引っ張られると頬を叩かれて。
倒れた私の周りにぞろぞろと仲間が集まってくる。
顔を顰め睨み付けるが、リーダーであるこの男が見下ろしてきた。



「ムカつくんだよテメーは、」

「ッ…!!」



起こしかけていた体に入る蹴り。
私はまた倒れ伏した。



「カツアゲ?される奴が悪いだろうが。なんでテメーが出しゃばってくんだよ」

「…っ」

「少しくらい強いからっていい気になってんじゃねぇぞ、このアマが!!」

「ぅっ!!」



突然髪を引っ張られ立たされて。
が、また床に投げ出される。



「…っ、この…!!」



立ち上がり殴りかかろうと思っていた時、容赦なく蹴りが脇腹を襲った。
声にならなくて。
それが合図であるように、取り囲んでいた男達が縦横無尽に蹴り、踏み付けてくる。



「痛め付けてろ」



言葉と共に意識を失った

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