「―――でもお前は俺のところに来た」







ポッ、









「お前が夕凪か珱か、そんなの関係ねぇよ」











大事なのは










「お前は俺と契りを結んだ女だ
そうだろ?珱」



「!!…」






頭を撫でてくれていた手が離れ
彼の懐から出てきた物に
涙が溢れていた










「あの桜の木は10回以上咲いちまったが…
今度は俺の口から言わせてくれよ?」









あぁ











「ずっと好きだった」












貴方様は












「お前が何回抱かれていようがそんなのどうだっていい、俺は…!」












ずっと












「お前を抱きてぇ…お前だけを抱きてぇんだ、だから!」













ずっと












「アンタを娶る…
この紫桜の簪、受け取ってくれ」












覚えてくださっていたのですか――――――ッ…



















『―――珱ー、どうして紫桜の簪なの?』

『…それはね』







―――そっ…







『?』

『弥三郎が付けてるその簪…』






紫の簪に桜の花びらが付いてて
素敵な簪



でも大きくなって
四国を守る大将になったらね、



もう付けなくても大丈夫だから









『強くなったら私にくれるんだ』









お嫁さんにしてくれる時
くれるんだ――――――…

























―――ポタ、ポタ…








「はい…っ」











彼は
男の人になってた












頼もしくて強い、でも



昔と変わらない優しい笑顔









―――スッ…





付けてくれた簪
額にそっと
口付けが落ちた



 
(幸せは)
(ここから始まる)

end.
遅れましたが元親公追悼夢を。だが名目だけ…笑
好いた人が大人の女性になってて気付けないアニキも可愛くて愛しいから許してしまうのです
20120520

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