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「助けた訳ではない。
貴様の力を失うのは惜しい…それだけよ」
特殊な力、それだけの価値
「―――元就」
それでも笑うそなたが
「知ってるよ」
分からなくて
「だからこれからも」
ならば何故そのような
「おれを使って」
そのような顔をする―――…。
―――
『―――…げほ、ごほっ』
知っていた
『はっ…は、…まだ』
―――フラッ…
『まだ、大丈夫…』
限界が近いと。
我の見ぬところで一人鍛錬をし
知らぬ病に震えていたのは。
―――なれど我は、その場を去った。
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