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何の変哲もない色だった。焦茶に近い、落ち着いた茶色。その雰囲気からして、冷静で躊躇ねぇ、そんで真面目で。だが掴めねぇ女だと、初めて顔を合わせた時に感じた。




『死ぬ貴様に名乗る名等、無い』




無表情で、平淡な声で、感情が見えない。オレの苦手なtypeだと思った。
いっそ真田のように馬鹿正直な勢いでもあってくれりゃあまだ楽しいってもんだが…こりゃあ本腰の魔王まで温い戦が続きそうだなと刀を交じえるまでは思っていた。

ただ一つ気になったのは、
宵闇のような鉄紺から覗く、色白な肌の中にある静かな双眸。
朽ちた葉の色―――枯茶と揶揄できない強い意思がそこにあった。
だからか、唯一そこに見て取れる感情に興味を持ったのかもしれねぇ。




『信長公の命だ。貴様の首、私が貰う』




見え隠れする本心を知りたくなったのかもしれねぇ。




枯茶色の双眸




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