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(oh……sleeping―――)
政宗は何食わぬ顔で、笑みを崩す事なく近づいていく
寝相は何度も見て分かってる
実に乱れなく布団にすっぽりと包まれた華奢な体
何時もなら髪も実に真っ直ぐに蒲団の上に流れ、その髪を梳き撫で
渋々早めに退散する
小十郎に見つかると厄介な説教がもれなくついてくるあれは…結構辛い
なんたって、足が保たない
痺れ過ぎるぐらい、痺れる
正座は御免だぜ……
そんな経験上、政宗は慎重に事を運ぼうとした
が、今宵は何故なのだろうか
長い黒髪は、白い蒲団の上に乱れていて
月明かりはその乱れた髪を様々な角度で青く反射していた
加えて、長い睫毛と
綺麗に顔の輪郭を青くなぞる
一瞬心臓が跳ねた
月夜にこんな美しく映えた目の前の女
愛しい俺の女
今日は髪を梳く事は出来ねぇようだ
じゃあ今日はどうやって俺を満たしてくれるんだ?
いつ見ても美しい
だが今は何時にも増してその姿は俺の心を虜にした
だから
欲しい
こんなにも俺の心を誘うお前が
お前の唇が
ホシイ
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