とさっ…



その時ふと感じた背中の圧

欠が俺の背に凭れかかったところで軽過ぎるこいつからは…重なり合った背からは、欠だけが持つ温もりが伝わってくる




「チカー」

「んー何だ」

「好きー」
「ブッ!!」



思いがけない言葉に元親は絶え切れずに吹き出して
首だけで振り返ると欠を凝視した



「おまっ…突然」

「へへー、吹いたー」



仕返しー、とか言って悪怯れた様子もなくニコニコ笑う欠
その大きな瞳は上目遣いに加えて視近距離
元親の鼓動が早まっていく



何故何時もこう不意打ちなのか


(心臓が保たねぇぜ…)


これでも俺は押さえてやってんのによ



「そんなに鬼に食われてぇか?」

「わぁ!」



体制を変えて欠の方に向き直った為に俺の背に体を預けていた欠の体が為す術なく倒れてくる
ゴツン、と音を立て欠の頭が元親の胸に収まって
元親はそのまま欠の体に自身の腕を交差させ羽交締にした



本当の事ならここで暴れてくれても構りゃしねぇんだが
歳の割りに妙に落ち着いてるのがこいつの不思議なところだ

だがそれはそれで俺は気に入ってる

こうやってお前の体温を感じられるだけで――…







「―――…チカ?」

「んァ?」






「ずっーと一緒だよ」







そうやって俺を見上げるお前の瞳は





「…おう」





海に星を散りばめたような綺麗な漆黒で





「…あっ、」



その時差し込んできた日の出の明るさに欠は海の方へ振り返った
元親はそんな欠の頭をガシガシと掻いて

ほんのり染まるのは

君の頬
(そのあどけない仕草の何もかもが)
(鬼ですら敵わない最高の宝)

end.

欠様、お待たせいたしました。本当に遅くなってすいません。一ヶ月でこの駄文ぶりは…申し訳ないです。元親(ギャグ)甘?です。よろしければお持ち帰りください。キリリクありがとうございました。

20100516

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