悩んだ果てに

『沙羅君、君の妹が何処にいるか知っているかい?
―――3日後、西の浜辺に来るといい。妹の行方を教えてあげよう。

但し条件がある。
…豊臣への協力だ。君のその力、僕達には必要不可欠なものだからね。

長曾我部方には決して言ってはいけないよ。
下手な真似もしない方がいい。その方がそちらにとっても都合がいいだろうからね。

―――君一人で来るんだ。
―――いい御返答期待しているよ』




ぐしゃ、と元親は紙を握り潰して。投げ捨てた。



「野郎……ッ、舐めた真似しやがって…ッ!!」



彼女の様子が変だったのは俺達に言えない理由があった。
アイツなら…1人で事を片付けようとするだろう



「ッ…」



舌打ちをしたところで
残るのは



悔しさと苛立ちだけ。



「……」



気付いていた
何かを一人抱え込んでいたと。



しかし聞けなかった
止める事が出来なかった。



「馬鹿野郎が…っ、」



言ったろうが
迷惑でも何でもねェ



―――お前が好きだから



困ってんなら助けてやりてぇんだ



それだけなんだよ



「……」



そんなお前を俺は許さねェ
そして



―――元親は立ち上がると海の向こうを睨み付けて言った。



「竹中半兵衛…てめぇは俺が仕留める…。
―――絶対にな」



20100403
20120813改

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