驕る実力に
だがその人そのものが今この西国に、目の前にいるなど驚かずにはいられない訳で。
「で…、決めてくれたかい?」
「……私…は……――」
『――…慣れたか?こんなむさ苦しい所でも住めば都ってモンよ』
『女一人で出歩くんじゃねぇ。危ねぇって言ったろうが』
『――…おめぇの笑った顔を、俺は見てぇんだ。女は笑ってなんぼだろ?』
だからもう流れないで
私は決めた
決めたから………
迷惑は掛けられないから―――…
「――…自分で妹を見つける」
そう、割り切った
――バッと両刀を抜き、駆け出す。
「貴方の口から直接聞き出す!!」
グルン、と柄を返し突き下ろす。
「――――…はぁッ!!」
――今、相手は刀を抜いていない。
今なら―――やれる、思った。
だが甘かった。
[ 34/214 ][*prev] [next#]
[戻]