神流の答え

『―――…最後に一つだけ、聞いてくださいませ。
二人が生き延びられる方法はあるのです』

『!!』

『冥鏡水と重実様の薬があれば、刻印と能力は消え、力の影響で減った分の寿命も元に戻る』

『重実…』




凛の親父か―――




『毛利と長曾我部の同盟―――これが本当の理由なのです』





毛利は六条を失わない為、冥鏡水を
長曾我部は毛利を後ろ盾とする為、薬を
互いに提供する。
これは弘元様、国親様、重実様、盛久様、そして私だけの機密事項でした。








「―――…」





確信した。
凛が狙われていた、その理由が。





「てめぇは知ってたのか?」






知ってて、このやり方を選んだのか




どちらか一人しか助からねぇやり方を





『私の役目は終わりました』







「一度死んだ奴を」






『そろそろ、逝きますね』






「もう一度死なせる必要があったのかよ…ッ、」

「っ!!…」





ツゥ―――

分かった
何となく、分かっていた
此処にいない時点で



でも、







「ぅっ…!」






会いたいと思っていたから






涙が止まらなくて





歯を噛み締め俯く





地面を握り締めた





「答えろ、毛利」







『―――…元親様』





貴方は誠、ご立派になられましたね






『どうか』





ッ…





『毛利家の行く末を、支えて下さりませ』






今は相容れぬ事、分かっております






でも







『元就様の目を覚まさせて下さい』







どうか







『娘達を、お守り下さい』







二人が幸せになれる





四国と中国の民がまた共に笑える世をお作り下さい―――…


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