元就の目的

「何だと…」

「一度に蘇生出来るのは一人だけ、それ以上は体にかかる負担が大きい故、直ぐには出来ぬのです」




だから今は私だけ




「私が完全に生き返り、そして…他の者も生き返れば、日ノ本は天下どころではなくなりましょう。
…元就様は私達を使い、他国全ての者を排し
毛利家を守ろうと考えております」

「ンな……、」

「…あと、」




彼は




「元就様は沙羅を…娘を殺し、由叉に寿命と力を引き継がせようとしております」

「なっ!?」






―――途端元親の顔が険しくなる。




「…そうですか」




貴方様は




「知らなかったのですね」




神流が俯く。




「娘は2つ子なのです」





―――




「―――そういう事か」




2つ子の寿命と力。
合わせて一人分である事。
片方が尽きればもう片方に渡る事。
そして沙羅は今厳島に居る事。
毛利が彼女を狙って去ったのを知れば、



―――ザッ、



「お待ち下さい」




動いた足が、止まる。
横を通りかけ、飛んだ声に。




「―――アンタが本当に俺の知る“六条神流”なのかは分からねぇ。でも、」




アンタは




「嘘ついてるようには見えねぇんだ」




だからよ




「俺は信じるぜ」




ザッ、



「もう、行かなきゃならねぇ」




沙羅が此処にいると知って
毛利があいつを狙ってると知って



黙っちゃられねぇんだ




「…分かっております」




だから




「最後に一つだけ、」




聞いてくださいませ―――…


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