不可解

「…」

「…」

「アンタの相手してる暇はねぇんだ」




なぁ





「通しちゃくれねぇか」

「…言ったでございましょう」




元就様の命なのです





「……」




目を細める元親。





「一つ、聞かせてくれ」






アンタは






「本当に、“あの六条神流”なのか」





姿はあの時と全く同じ





「…はい」





でも






「…アンタは死んだ筈だ」





そう伝えられてきた






「それにあの時俺はまだガキで、なのにアンタは、」

「あの時と同じ、歳をとっていない。
そう、仰りたいのでしょう」

「……、」





言い当てられて口ごもる。
―――神流は辺りを見回すと向き直る。




「―――…ずっと待っておりました。
こうして二人になれる時を」




元親は目を丸くする。
それも突然彼女が刀をしまったから。




「アンタ…どういう…」

「知っております」





貴方様が私の娘を助けてくれようとしているのも




「!」

「少しだけ、時間を下さい」




私が此処に居る理由。
それも全て一族と、この戦に関わる話だから。





「―――この戦の全て、
貴方様に伝えなければならないのです。元親様」


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