時の交わり

「死者の蘇生だと…!?」

「信じられぬか」





ンな事





「天空を自在に操り治癒も成し得る。
―――斯様な力が有り得る以上、それを手にする我らが成す事
不思議ではあるまい」

「死んだ奴は生き返らねぇ。
ンな事ァ、有り得ねぇ」






元就が目を細める。








「これぞ日輪が力、毛利の威光」






貴様には理解出来まい

―――重く冷たい視線を静かに見据えた。






「あぁ、理解出来ねぇな。
そのカラクリがどんな訳かも、」






だが今はそんな事どうだっていい






「あんたは、」






神流が僅かに顔を上げて一瞬目が合う。









「六条をよく知ってる。
悔しいが本当は助ける方法も知ってんだろ」

「知ってたらどうする」

「ンなの…」






―――ザ



「聞き出すに決まってんだろうがッ!!」






地を蹴って得物を振り上げた刹那。












「何…!?」




―――火花が散って。
目の前には神流がいた。
そして得物にいなされる。





(二刀流だと―――)




「……」





眉を寄せた。
互いに身を退き顔を上げると、毛利が背を向け遠ざかっていて。






「逃げんのか毛利!?」

「逃げるだと?」





足が止まり





「我にはすべき事がある」






振り向く。






「貴様に出来る事はない。
此処で消えよ」

「ふざけんじゃ―――」





ぴた、と触れた冷たいもの。
すぐ傍には神流が、彼女の刃が首元で光っていた。





「此処は通せませぬ」

「!!」





身を退き首を触る。





(早え―――)





全く気配がなかった。
刃を下ろした神流を見据える。
彼女は冷静で、焦りもなくて。





「貴様にはこの女で十分」






最も、此奴にも及ばぬようだがな





「何だと!?」

「…ふん、」

「待ちやがれ毛利!!」





消えていく元就をかばうように神流が立ち塞がる。






「言ったでございましょう。
此処は通せませぬと」

「ちッ…」

「私がお相手致します」





刀を振り払い持ち直すと、近付いてくる。






「元就様の命―――此処を通りたくば
私を倒して下さいませ」



20120905

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