輪廻

風が強く吹いた。
長く綺麗な髪、それは。
沙羅より明るく、紅く夕日のようで。





「あんた…」









『―――…おぉ、よくぞ参られた。
六条の奥方殿』

『倅(せがれ)の元親でございます。
…ほら、元親ご挨拶は?』

『…』

『元親!』

『国親様』





―――スッ…、






『…!』

『毛利家が家臣六条盛久が妻、神流でございます』





此度は弘元様の所用にて、代わって私が馳せ参じた次第にございます―――…。











平伏し静けさに包まれたあの時。
今でも覚えている。幼かった俺だけじゃなく親父も周りの皆も感じていた。
同盟国である毛利、その当主弘元の代理を任される六条―――特殊な力を持つ一族を纏める女性の一人、神流の力を。彼女という人の強さを。

優しい表情、だが強さを秘めた瞳。
硬い忠誠心を宿す彼らを欲すと同時に、懸念し同盟を結んだのが親父だった。
最も六条滅亡の知らせから暫くし毛利弘元も死去、当主は毛利元就となり同盟は破棄された。






「どういう事だ」






あんたは、もう

―――そう切れば神流は目を細める。






「これぞ日輪の力よ」





言葉と同時に音も無く元就の傍に控える彼女。






「この女は生き返ったのだ。
我が家に伝わりし秘薬によって」

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