この一瞬を

『行け!日輪の子らよ!
退路を塞ぎ、敵を殲滅せよ!』






戦。
刀を振るい、銃を撃ち何度も出陣する中で確信していった。





『毛利の威光を示す働き、見事であった』





先々もその力…振るうがよい―――。






この力が嫌いだった。



人はこの力を恐れ、忌むから
除け者にするから






姐さんと宗爺以外誰も信用出来なかった。







―――傷付くのが怖くて







他人を拒んだ。







―――本当の気持ちを…閉じ込めた。






そんなの…得意じゃないのに。

俺は姉さんのように…優しくなれないのに。






―――自分を指さし化け物だと罵る奴に
平然では居られなかった。






―――許せなかった。









悔しかった。








認めて…欲しかった―――。






だから戦うしか出来なかった俺に
あの人が、居場所をくれた気がした。






必要としてくれた。






『あいつは…“毛利の懐刀”だ!!』

『逃、
逃げろーッ!!』





―――ザ!






“役に立ててる”





―――“守れてる”と思えた。






いつの間にか広まった肩書きが示してくれて






俺は外れ者じゃない




そう…思えるようになってたんだ―――





―――






『―――…ならぬ』





でも





突然過ぎた。






『貴様は出陣させぬ』







此処に残り







何もするな






『え……もとな―――『貴様はもう、』





ッ…





『“懐刀”ではない』


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