強さ
―――ドゴオォォォン!
「はぁ…はっ…」
パラパラと崩れる地面。
砂埃が視界を飲み込む。
「や…やったグラッ―――…
「…ぁ…っ…――」
フラついた体を何とか持ち直して。
浅く早い呼吸に静かに目を伏せた。
だがはっと、顔を上げる。
「―――成る程な、これが“毛利の懐刀”か」
「…そ、んな」
ゴォッ、と風が吹く。
見えたそこには立っていて
―――元親が立っていて。
「どうして」
信じられなかった
「一回ぐれぇ食らっておかねぇと、分かんねぇじゃねぇか」
全力だった。
あれを受けて立っているなんて
「アンタを知る為にな」
笑っているなんて―――
「俺も―――そろそろ本気出すか」
スッ―――…
「―――鬼に喰われんなよ」
由叉
「―――ッ!!」
ザザッ!―――
無意識に退いた途端、元親は既に飛び上がっていて。
―――ヒュンッ、
「えっ」
碇槍が飛んできて。
燃え盛るそれが地に突き刺さると同時に、衝撃波で吹き飛ばされた。
「く…はっ……」
まともに食らうなんて―――ゴゴゴゴゴゴ
地鳴りの後バラバラと柱、天井が崩れてきて。
「あ…」
どうしよ
体が
(動かない―――)
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