鬼VS懐刀

ドドドドドドド―――

鳴り止まない銃声。
それは柱と獲物を盾にしながら近付いてくる元親を狙い続ける。だが突然弾が切れて。
刹那元親の目が細まる。
グンッ、と薙ぎ払われた碇槍。背中を反らせ由叉は躱すとバク転し、直ぐ跳ね上がった。
見上げると銃を構えた由叉が浮いていて。降り注ぐ銃弾の雨。たちまち激しい音と砂埃が広がった。









「………」




一気に静かになり、舞い降りた由叉。
砂煙で何も見えないそこを、じっと見つめる。





その時




―――ゴオォ




「由叉ァ!!」




ブァッ、と碇槍が砂をかき消した。
元親がニィ、と笑う。





「なかなかやるじゃねぇか」

「―――元親こそ、」





口角を上げ笑いかける由叉。

油断もスキも与えていた訳じゃない。
二丁拳銃で攻撃し続けていた。でも、





「時代は火力、あんたの得物喰らい甲斐があって気に入った。
それにまさか天井に換えの得物潜ませてやがったとはな。
はっは、面白ぇ!」






天井に備え付けておいた換えの銃。
倒すまではいかなくても何発か当てるつもりだった。





(全部…防いだのか―――)





「―――流石だね」





ふっ、と笑い目を細める刹那、鋭い眼差しに変わる。
すると風が出始めて。





(この感じ…)





六条





(コイツの力か―――)



元親が黙ったまま目だけ動かし、辺りを見回す。





「やっぱ西海の鬼は
この位じゃ効かないか―――」












「そろそろ本気出さなきゃ駄目そうだ」





元親









「―――行くよ」

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