行き着く運命

隆家の気迫に言葉が詰まった。
その瞳は悲しげに揺れて。






「そういう…事だったのね」






繋がった。
私の中の記憶が、





「一族の力は死んだら残りの血筋に受け継がれる。
…私が死んだら、由叉に力が渡る。力があれば回復出来る。
そういう意味だったのね…でも」





ギッ…





「それは一時的なもの…体調が良くなってもまた直ぐ…辛くなる。
それを繰り返したら…寿命は減っていくだけ…」






私のように…
いくら力があっても、使えば寿命が減る。

―――目を伏せる沙羅。




「―――由叉も…なのね」





予想はしていたが。
血が繋がっているのだ、私と同じように寿命が減っていて当たり前だと。


でもそうでない事を、願っていた。




「症状は何処まで進んでいるの…?
由叉はこの事を…知っているの…?」




私達はずっと支え合って生きてきた。
いる国が違えど互いに大切なのは変わらない。

彼女なら…元就の為にこの戦、先陣をきってくるだろう。
でも私の命と引き換えに生き延びると知ったらきっと、彼女は拒む。

だがこの船では…何処にも見当たらないのだ。

―――険しい表情のままの隆家に悟った。




「―――知らないのね、いえ」




知らされてないのね―――




「出陣出来ない程重い状態…。
もし毛利が私の命を狙ってると知ったら、止めにくる…そうすれば戦は無駄になる…だから知らせず、」




国に…残してきた―――






「この戦、毛利は由叉を――」




ピタ、
―――途端喉に触れた切っ先。
忘れていた。思わず体が硬直する。




「…やはりそなたは、危険すぎる」




隆家の言葉で確信した。
毛利は由叉を助ける為に――…




「…ッ!!」

「――悪く思わないで下され」





隆家の瞳がゆっくり細まって。
振り上げた刀。息を飲んで目を見開いた。

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