決断
「沙羅が望んでねぇ事位分かってたつもりだ。
あいつはそういう女だからな」
誰かの命を奪い取って生きる事を
望んじゃいねぇ
あいつは…優しすぎる
「ならばもう十分だろう」
一歩踏み出す久秀
「私は待つのが嫌いでね。
もう十分待った」
卿の話も飽いたところだ
「“3”数える間に決めたまえ。
刀を渡すか、否か
―――“1”、」
「ッ!」
私の心の蔵はひとりでに早くなる。
「…“2”」
目を細めて元親は静かに目を瞑った。
「―――“3”ガチャン
―――唐突に地に落とされた刀。
取り出した宝は元親の手から抜け落ちた。久秀が怪訝そうに眉を曇らせる、刹那
「…こんなモンッ!!」
「!!!」
「!?馬鹿がァッ!!」
バキンッ!!
―――刀を踏み付けた元親は鞘ごと得物で刀をへし折った。
続
20111106
20120903改
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