お前という未来
限界なんざ知らなかった。
いつも周りには野郎共、四国の良民。そして毛利に虐げられた安芸の、戦で行く宛のねぇ女子供老人がいて俺を頼りにしやがる。
俺はとっとと天下を頂いて戦を無くしてぇ。
どいつもこいつも笑って暮らせる天下、日ノ本を俺が治めてやらぁ。
―――そう思ってきた。
そして俺は沙羅と出逢った。
『あなた…さっきのやつらの仲間ね』
生意気な女
こいつの第一印象だった。
気が強くて、だがたまに見せる表情はどこか影があって。
そんなお前がいつの間にか放っておけなかった。
同じ天下でも…、
お前と一緒に居る天下を
取りてぇと思うようになった―――。
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