休息
「Wow…」
「なんと…!!」
宙からふわり、床に降り立った沙羅。例えるならその姿はまるで天女のようで。
(ますます良い女じゃねぇか…)
政宗は思った。同時に豊臣に狙われる訳を理解する。
(…rareな力か―――)
―――
「……――よぉ、うまくやったじゃ「ふ ざ け な い でッ!!!」
眉を吊り上げ早足で歩いてきた沙羅に、耳を強く引っ張られて。耳元で言われる。
「んなぁぁ…!!おまっ、耳…!!」
「んな…じゃないわ!!突然敵の中に人を放り込む奴が何処に居るのっ!?貴方私を殺す気!?」
「別に吹っ飛ばせたから良いじゃ「良くないに決まってるでしょうがあああッ!!
私は貴方みたいに無 駄 に 頑丈に出来てないの!!!少しは考え「てめ…、一言多いんだよ!しかも耳元で騒ぐんじゃねぇっ!!」
剣幕を顕にとやかく言ってくる沙羅に負けない位、元親も剣幕一杯で。だが彼女の声がギンギン頭に響きどうしようもない。
「覚えてやがれ……」
しゃがんだまま言う捨て台詞。
「くっそ…耳痛ぇ…」
「いい気味よ」
「Hey沙羅、なかなかやるじゃねぇか。
さぁ、来い。歓迎す「遠慮するわ」
突然、肩を抱き寄せ耳元で囁かれる。
(政宗…なんなの)
皆まで言わせる前に逃げるように離れて。何時になったら止めてくれるのだか。政宗は元親以上にしつこい。
「独眼竜!!だから沙羅に触んじゃ「破廉恥でござるううああぁぁぁっっ!!!「いい加減俺に言わせねぇかぁぁあっ!!!」
「はぁ…」
本当に大丈夫なのかしら…
―――元親を挑発する政宗と顔を赤らめ硬直している幸村。だがそんな光景を見ながらどこか微笑ましい気持ちになった。
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