柔らかい笑みを

「……――ふふっ、」



幸村の絶叫が響き一瞬、間を置き洩れた笑み。政宗、元親、幸村一同は目を丸くして静まり返った。



「どうして皆そうなのよ…っ」



戦のど真ん中なのに



「もう…っ、」



口元を押さえて涙を堪え笑う彼女に幸村、政宗、元親は小さく笑った。



「――…!!!」

「どうした?」



刹那はっ、と顔を上げる彼女。元親は目を細めた。



「hm、やっぱ囲まれてたか」



真剣な表情に戻った沙羅が政宗を振り返る。むしろこの状況を楽しむかのような彼を。刀の柄に、手を掛ける。



「恐らく50…あるいはそれ以上ね…」

「ほぉ、早ぇな」

「…たりめーよ、こいつは“特別”だからな」

「……特別と?」

「元親!!」



大丈夫だ、と返す元親。幸村達を見て。



「半径160尺…そのぐらいなら風の動きで人の位置を読める」



沙羅の力だ



「――下!!!」


――バッッ!!



話し終わらずに、床を突き破ってきたクナイの波。



「危ねぇ沙羅!!」
「―――…きゃっ…!!」



元親にぐいっ、と強く腕を引かれる。瞬間、無数の刃が元いた場所に突き刺さった。息を呑む。自分がどれ程鈍っていたのかを思い知らされて。そしてやっと気付いた。自分の背が彼の精悍な腕に支えられていると。



「あ…ありがとう―――、元親…」

「面倒だな…忍、か」


………………………………………160尺→約50mと思って下さい

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