似た者同士
あれから半年以上だ。―――…政宗は口角を上げ笑う。
「豊臣には借りがあるんでな。そろそろ我慢の限界って訳だ…you see?」
「…相も変わらずの南蛮語だな。―――つまり今回は`敵`じゃねぇって事でいいのかい?」
「All right、俺は豊臣が気に入らねぇ。
―――どうやらアンタもらしいな、西海の鬼」
沙羅の姿を見つけた政宗が、元親を一瞥した。どうやら最終目的は同じらしい。元親も政宗と同じく不敵に笑む。
「おうよ!―――野郎は許せねぇ」
「………」
床に突き刺さった碇槍へ向かう元親を、横目で見る政宗。
「―――but、アンタに譲る気はないぜ?取れた者勝ちだ」
「望むところよ!―――沙羅!!」
「!!!」
二人の会話をただぼうっと聞いていた。
分かったのは…青い雷の衝撃波と共にやってきた男は、元親と同じ隻眼。違うのは眼帯が右目、青い装束、腰には六本もの刀―――。
(あの人が独眼竜、伊達政宗…)
話はよく聞く。どことなく雰囲気が彼に似てると思った。
「待ってろ、今行く」
「whew…、成程な。それがアンタの言う許せねぇ理由か。
…結構な上玉じゃねぇか、lady?「やらねぇぞ」
透かさず政宗の言葉を遮る元親は眉を顰めたまま政宗を見る。
「ha!sorry、sorry。アンタの女だったか」
「そ、そんなものじゃ…!!」
不敵に笑う政宗。どうしようもなく恥ずかしくて反論した。その時
パラパラ……
「…what?」
「え?」
「――危ねぇッ!!!」
元親が叫んだ時にはもう、天井が崩れ始めていた。
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