奇襲

「邪魔だッ!!退きやがれぇッ!!!」



ドォォォ!!!



時は子の刻。月明かりだけが外を照らす宵。だが、頃合いに似つかわない怒声が辺りを震わせる。大阪城が不気味に照り映える中、元親は碇槍を振り上げた。



「チィ……ッ、
―――邪魔だァッ!!!」



碇槍から上がる炎。向かってくる敵を吹っ飛ばす。
長い廊下を走り抜けて兵を薙ぎ倒していく。



「アニキ!!いい感じっすね!!」

「おうよ!!おめぇら、遅れずについてこいよ?」

「アニキィィィィ!!!」



刀を交えながら叫び返す子分達。いて、よかった。此処でこうして得物を操り、突き進めるのも野郎共がいるからこそ。いくら鬼でも、船は一人じゃ動かせねェからよ。
元親は口元を吊り上げ笑うと直ぐ目を細め辺りを見回す。




(竹中半兵衛…)



鬼を怒らせたらどうなるか




その身をもって思い知らせてやるぜ―――。

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