大江戸ズッコケ三人組
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「コーンのやつ1こ」


お昼のピークが終わってから数時間経つと、今度は寺子屋から帰った子供たちがちらほらやって来る。うちでは弁当とは別でコロッケや惣菜も売っているので小腹を空かした子供たちにはちょうどいいらしい。時間帯を考えると駄菓子屋じゃないのと聞きたくなるが、子供たちの笑顔と片手に握りしめられ少しあったかくなった小銭をもらうと明日も来てほしいなと思ってしまう。オバンか私は。


「おぉ!佐吉ラッキーだね、コーンのやつは私が揚げたんだよ〜」


「どうりで売れ残ってるわけだ、やっぱふつうのにする」


「ちょ、そのくだり昼もやった!しかも最初のセリフうざいんだけど」


いたずら好きでおおちゃくな佐吉。


「おれもふつうのだなー死にたくねーし」


食いしん坊でおにぎりみたいな頭してる一平。


「おれはコロッケとラムネ」


頭が良くて(ませているとも言う)まとめ役の龍之介。


この3人は頻繁に来てくれるから他の子供たちよりも仲がいい。最近の流行りの遊びを教えてくれたり、この間なんかは遠足で行ったターミナルでお土産を買ってきてくれたりもしてなかなか可愛いやつらなんだよ。


「そういえばさーこの前教えてくれたDS買ったよーどうぶつの林ってソフトも」


3人にコロッケやおにぎりを渡しながら前に話したゲームのことを話した。(やってみたら案外楽しくてマイブームになりつつある)


「え、あれまだやってんの?おれよっちゃんにあげたし」


「おれもおとうとにあげた」


「いまはともだちコレクションでしょ」


「ちょ、えぇ?通信プレイしたかったのに!他のとこのフルーツもほしいのに〜!ていうか飽きるの早くね!?2週間くらい前じゃん」


驚く私を見てケラケラ笑う佐吉、すでにコロッケにかぶりつく一平、子供とは思えぬ冷静な表情で私を見る龍之介。何この敗北感。


「あしたはそろばんだからこれねーけどなくなよマナ」


佐吉の意味不明な一言を残して3人はとっとと公園へ遊びに行ってしまった。ていうか何で呼び捨て。


「ちぇーっ、通信プレイしないとデパートできないのにぃ」


3人からもらった小銭たちをレジへと入れながら私は頬を膨らませた。


これじゃあどっちが子供かわからない。


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