それは突然に、
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「「「マナねぇちゃん!」」」


その日、リハビリ終わりに小腹が空いたので何か食べようと病院の売店へ向かうと偶然、三人に出会った。


「‥あんたたち!」


まさかここで会うとは思っていなかったので驚いた。三人は私のお見舞いに来てくれたらしい、こちらへ駆け寄って来てくれた。
しかもお菓子とジャンプを持っている。ジャンプは読んだことないからアレだけど、お菓子は良い、実に良い。ナイスタイミングだ。



「マナねぇちゃん、佐吉守ったのかっこよかったよ」


「龍之介、何で上から目線?もっかい山行くか」


あぁん?と脅すと冗談だよと苦笑いする龍之介。


「マナねぇちゃん足どうしたの」


「そこから!?お前を庇ったんだよ、目隠ししてたから分かんないとかナシだから」


佐吉が驚いて目をぱちくりさせている、マジか。


「さすが、コロッケのおかげだね」


「うっさい一平、今コロッケの話すんじゃねぇ(前話参照)」


「何でおれだけ厳しいんだよぉ!」


久しぶりだな、三人とこうやって話すの。相変わらず元気そうで良かった。ムカつくこともあるけどやっぱり楽しいな。この三人を助けに行ったのも彼らが大好きな証拠だ、私の愛なんだよ、うん。


「マナねぇちゃん、お菓子持ってきたから食べようよ」


「よし、病室行こっか」


「マナねぇちゃん、おれ一回でいいから病院のベッド寝てみたいんだ!」


「よし、怪我させてやる」


「違うよ、寝るだけ!入院はやだよ!マナねぇちゃん俺のこときらいなの?」


悲しそうにする一平の坊主頭をぐりぐり撫でながら、そんな一平を笑う佐吉と龍之介と一緒に病室へ向かう。





「おー来た来た」


「‥‥‥」


病室へ戻ると、沖田総悟が私のベッドに寝転んでいた。しかも土足、しかも煎餅をバリバリ食べている。なぜいるんだ、せっかく今まで楽しい気分だったのに、たった今!機嫌が悪くなった、異がキリキリしてきた(前話参照)。


「何そのダジャレ。"おー来た"って沖田だろ、何自分の名前言ってんの、つまんねー」


悪魔のかきくけコロッケ事件の恨みがある私の中で怒りが沸々と込み上がる。


「相変わらずうっせーな、コロッケだけじゃ足りねーなら次は毒入り弁当にするかィ」


「殺人鬼!おめーいっぺん死ねよ、マジで」


「死ぬなら道連れだぞ(微笑)」


「何で笑ってんだァア!それアレだろ、NANAでレンが言うやつだろ」


「俺ァ、シン派でィ」


「知るか、たしかに似てる気もするけど!」


シンはまだ可愛げがあるけどお前何もないから、


「で、何しに来たの?」


話がだいぶそれた、そして三人の存在を忘れつつあった。危ない、私はこの子たちとお菓子を食べるんだ、さっさと退きやがれ。


「迎えに来たんでィ」


「は?」


どういうことだ?迎えに来たってどこか行くの?
沖田総悟はベッドから下りて、状況が掴めない私に近づいた。


「感謝状の授与式でィ」


「‥‥え、今から!?」


こくんと頷く沖田総悟。いやちょっと待って、この間お見舞いに来てくれたとき近藤さん今日って言って‥たわ!今日だァア!え、待っ‥エェエェエ!


「用意してないんだけど!待って、化粧もしてないし」


「そんな面、化粧してたら日が暮れちまわァ。ちょうどガキも揃ってるな、おめーらも行くぞ」


「お前マジでうざ、ていうかこの子たちも感謝状?」


「いんや。この三人は入賞でィ」


は?入賞とかあんの?コンクールじゃないよねこれ。


「もう15分遅れてんでィ、早く来い」


そう言って病室を出ていく沖田総悟。ちょっと待ってェエ!せめて着替えさせてよ病院の服だぞ私。


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