50音で紡ぐお話を聞いて







愛はいつまでも甘いだなんて、嘘のような真のはなし
いつもとなりに置いておいてね
嘘が上手な悪いお口には、とびきりのおもてなしをしなくちゃ
絵空事みたいなことをいつまでも語る、貴方のままでいて
怒らないでよ、大好きなんだから



家族ってむずかしい
気が付けなかった、貴方のやさしさこそが愛だった
くるみ割り人形のような女の子になりたかったの
ケンカしても明日の朝にはおはようって言って
こんなに不細工の私を、愛おしい目で見ないでよ



さあ、走り出す準備はできていた
シーツに溶かした蜂蜜のシミ
すぐに行くから涙はグラスに溜めておいて
せいぜい、私のことを忘れられないくらい愛せばいい
そんな感じで幸せに暮らしましたとさ



たかだか愛とか恋とかそんなもので
近すぎて気が付かなかったとか頭が悪い
つまずいてガラスの靴を割ってしまったとしたら
定点カメラで収めた180秒の愛のこと
道具になんかならないで



なんだか眠たいの、ママ
にじんだ涙の後は誰を追いかけていくのかな
塗り替えてよ、全部
ねえねえ、幸せの午後にはどんなお茶を合わせる?
喉ぼとけをくり抜いて、ずっと、あなたの声に囲まれて生きるんだ



はじまりはいつも終わりを求刑している
ひどいあなた ひどいわたし
不思議の国行きパスポート
返事をくれなきゃ悪戯するから
宝石よりも美しくて、絵画よりも価値がある、そんな私を望んでいる



まじでほんとうにうそじゃない、君がすき
ミルクに落とした涙が混ざらない
難しい話なんかやめておとぎ話でも読んでよ
面倒くさい女の子って、だけど何だか素敵でしょう?
もうどうやったって離れない二人でいて



やっぱりここでしか泣けない私でいてもいいかなあ
ゆるり くらり ふわり 
よろこびを伝える日にはまっさらな花束を



ライラックの午後に揺蕩う
リリー、君が生まれた日は雨が降っていた
瑠璃色の深海で僕らは死んだ
レースはここからあそこまで
ろうそくを揺らすのは君の吐息だけ



わたしとあなたとそれからそれから
をかしな國に産まれたもんで・



ん?もう終わり?


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