その時、私はイライラしていた。理由はアレだ。ロックハート。
あの白い歯をぶん殴って折ってやりたい。イライライライラ。
つーかあれだよ、このなまえ様よりモテてる気になってるとかどういう事だよ。ふざけろ。
そんな中。三回目の決闘クラブだったか。
ロックハートのアホは収集付ける事も出来ない癖に、今日はより実戦に近くとか言い出していた。
私はイライラしててガム噛みながら壇上のダアホをどうしてくれようか考えていた訳だが、どうやらロックハートはそんな事は微塵も気付かないままに───私と、スリザリンの生徒を指名した。
男子生徒だから名前なんか知らないが、悪いけど八つ当たりの対象に……
「穢れた血のダーズリーか。そのお綺麗な顔を醜く変えたらさぞ見物だろうねぇ」
………するのは止めた。医務室に送りだしてやるよ。
「……ロックハート教授。ただ模擬戦するんじゃ面白くもないと思いませんか。
勝った方が次の対戦とルールを決めるなんていかがでしょう」
派手好きのロックハートはスネイプが口を開くより早く、ハンサムであると名高いウザ顔を笑顔にして「いいでしょう!」と承諾した。
その言葉覚えておけよ、クズ野郎。
壇上でお辞儀をして、3、2、1。
スリザリン生の飛ばした閃光を交わしながら、私の唱えた呪文は…
「アクシオ、雷火」
雷火──私のお気に入りの得物の一つであるそれは、魔法の火で鍛えられた魔法合金(ミスリル)製の破魔刀である。
只の太刀ではない。破魔刀というからには、そう。魔法を切る事が可能なのだ。
勿論、太刀の使える魔法族でなければ意味を為さない。そんな魔法使いは今のところ私とハリーしかいない。
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