「なあなあリドール」
「人のファーストネームを間延びさせないで下さい、サトウ先輩。何か?」
「お前優等生らしいけど、これやった事ある?オセロ」
がしょ、と折り畳み式のオセロを取り出せば、ボードゲーム好きのリドルはぴくりと反応する。
「……リバーシですか?」
「ああ、うん。日本じゃオセロと呼ぶんだ。」
正確には今から六年後に、ではあるが。豆知識として、オセロの名称は茨城県水戸市(県庁所在地でアニメイトがある。そんでもって県内で最も学力の高い公立高校は水戸一高)から発祥した事を述べておく。
「いいですよ、やりましょう」
物知りですね凄いですねー!と心にも無い言葉をえらく感情こめたように言って、リドルはオセロに手を伸ばす。
「俺様、まぁだやろうぜー何て一言も言ってねーけど」
「、」
リドルがビシリと石と化した。同時にそのお綺麗な笑顔に青筋が浮かぶ。
「リバーシ知ってるなら、こないだ仲良くなった後輩がリバーシやりたいってうるせぇから相手してやれ」
ここで一言言っておこう。ここは大広間である。
青筋を盛大に浮かべながらも完璧な笑顔を崩さないリドルには拍手してやりたいくらいだ。
「わかりました、いいですよ」
おーおー、血管切れそうだねリドル君。
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