「ゆーえんち!!ゆーえんち!!」

マージおばさんの連れ犬が飛び掛かって来たのをキャッチし、ジャイアントスイング。
おばさんは起きたばっかりで頭がついて行かないようだった。何かもにょもにょ言いながらベッドから降りようとしている。

「おばさんパス!」

そのタイミングで私はスイングしていた犬をおばさんに投げた。え、動物虐待?なんのこと。
おばさんは犬を全身でキャッチしてベッドにひっくり返った。超!!エキサイティング!!www




朝食は私がハリーを手伝わせて作ってやった。
勿論純和食である。
白米にオクラ納豆、梅干し、味のり、焼いた塩鮭を各々一つ。漬物。
当たり前のようにマージおばさんの目の前にも箸を置いた。

「ね、ねぇなまえちゃん。これは…?」

「日本の朝食よ、知らないの?ハリーでも知ってるのに」

ハリーはげほげほ噎せ、おばさんは視線をさ迷わせた。
困ったように箸をしげしげと手に取って見つめるおばさんも放置して、久々のオクラ納豆を食べる。うん。久々になら旨いよね納豆。ちなみにくめ納豆がおすすめだ。

おばさんはハリーすらひょいひょい使うお箸を使えない事に苛立っているようだった。だがプライドが邪魔でフォークを頂戴と言える訳も無い。
苦戦したりチラチラ視線を寄越したりするおばさんを十分程放置した後、ハリーにアイコンタクトをやってフォークを出させた。
そしてハリーの放った一言。

「すみません、お箸使えなかったんですね」

マージおばさんが何か言う前に私が追い討ちをかける。

「ん、おばさんお箸使えなかったんだね。ごめんなさい、気付かなかった。早く言えば良いのに!
ハリー、おばさんにフォーク出してくれてありがと!」

おばさんはフォークを曲げそうな勢いで朝食を食べた。
オクラ納豆で不味そうな顔をしたので、美味しいでしょ?大好きなんだーと刺しておいた。



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