二次 | ナノ


▼ 17

「…するとその女はこう聞いてきた。…私、綺麗?
…正直、マフラーをしていたからわからない。だがただならない雰囲気を感じた私は、首を縦に振った……。
女はマフラーを外して、これでも?と聞いてきた………。
何と、その女の口は耳まで裂けていた……」

「あたし綺麗ぃぃい!?」

「「ぎゃああああッ!!?」」

キャンプin山。街灯一つ無く、おそろしく暗いこの環境で、現在怪談中である。
師範代が口裂け女の話なんてするから、つい悪ノリして脅かし役やっちゃったぜ!!

ハリーが絶句したままがくがくしてるが、大丈夫か?そんなんで待ち受ける七年間もの死闘に耐えられんの?本当に大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。私にはな。


「じゃあ次は僭越ながら、このダリアが怪談を」

「………………」

「………この前、町を歩いていた時ね」

「ま、まさかの実体験だと!?」

「ふふふ……まぁ聞け。
少し辺りが暗くなってきた時だったかなぁ。

後ろから猫の鳴き声がした気がして、振り向いたんだ。猫は好きだからな。
でも道にはいない。聞き間違いかな、と気にしないで歩き始めた。
また猫の鳴き声が聞こえた。振り向いてもいなかった。
歩いては鳴き声が聞こえて振り返るけど、猫はいない。だけどそのうち、猫の鳴き声はすこぉしずつ近付いてきた。
はっとして振り向いたらさぁ?
道の端に、赤いワンピースの女が立ってたんだよ。猫を抱いた女。
その人の猫かぁ、って思って、そのまま帰ろうとした。
その瞬間、見ちゃったんだよね……
女の人の目が猫みたいに光ってて、私を見てにやぁ…って笑った所を。
女の人は私の方に歩き出してさァ……猫の声がどんどん近くなる。姿の見えない猫は、鳴き声が増えていく。
私、怖くて逃げたよ。
ちなみに、それフィッグ夫人の家の通りね」

「嘘ォ!!一気に信憑性増したじゃん!!」


prev / next

[ back to top ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -