二次 | ナノ


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「疲れた…」

「おいハリー、バテんのはえーっつの」

一日目の夜。
今日は清水寺と金閣寺と銀閣寺を見た。これに限っては私は二回目なのでむしろ説明役に回ったが、まぁ凄く楽しめた。

元々日本大好きイギリスっ子の集団なので、しかも集中力が下手にあるものだから、寺とワビサビに夢中になって時間が足らないと思い出す始末。
私と師匠と師範代(私が最初に知り合ったジャパニーズのお姉さん)で皆を引っ張って行かなきゃならなかった程だ。

ハリーも例外ではなくて、日本人になりたかったとか言い出しかねない雰囲気である。

プラン通り、6時には切り上げて師匠の家(完全に武家屋敷!)で御飯を頂き、8時まで座禅して1時間花火をした。今は既に布団の中だ。

「でも楽しい…」

「来て正解だっただろうハリー君」

「うん、ありがとうダリア」


うわ。
何か私今ちょっと照れた。

このガキンチョちょっと可愛いなと思った。そうだった私ショタ大好き。まじで可愛く思えてくる。あぶねーな犯罪者には成りたくないぞ。

「ダリア?」

「…いや、何でもない。礼ならちゃんと師匠達と、あと親にも言っとけ。一応、あの人達の金で来れてんだから」

「うん。」

最近、ハリーは怒鳴られたりすることが激減した。食事も、私が流すのを避ける為に充分な量が用意されるし、おやつも同じだ。服もまともなものが用意されているし、何より親とハリーの会話が増えた。

これが当たり前だと思うのは、傲慢だろうかね。

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