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「うどんだって蕎麦だって天ぷらだって寿司だって刺身だって美味い。
さてハリー。私はあの両親に六泊七日の日本旅行を提案する。日本はいい。経済も発展してるから、父親の商談を利用する手もある。」
「駄目だったら?」
「そりゃお前、師匠が今こっそり計画して、三日後に発表する手筈の日本旅行プランに乗るしかないだろ。ちなみに、四泊五日で一人10万の超お得プライス」
師匠が子供に何かを教える為なら金と労力を惜しまない魅力的な女性でホントに良かったと思います。
「でも、二人合わせて20万もおじさんおばさんが出すかなぁ…」
何故私が未発表の旅行プランを知っているかをスルーしたハリーは勝手に思案し始めた。
私は一瞬の間を置いて、ハリーの頭へチョップを軽く落とす。
「てい」
ゴスッといういい音がした。ハリーは呻いて頭を抱える。
「金で潰れる計画なぞ、私が立てると思ってんのか?あ?」
「〜…痛いよ、ダリア」
「だまらっしゃい。」
もう一度私はハリーの頭へチョップを落とした。
ハリーがドMになったらどうしよう。
「いいかハリー。あの馬鹿親…ゲフン、最低な動物共…ゲフン、…が、半年前まで私の服に使ってた金、月々いくらだったと思う?食事代を含めるといくら?
私を甘やかすために使っていた金は全部でどのくらいだ?」
「………いくらだったの?」
恐る恐る、といった様子でハリーは私に聞いた。
「聞いて驚け。十一万(日本円相等)だ。
ちなみに今は月三万五千〜掛かっても五万。
内訳、一ヶ月の食品一万五千、学校の教材費諸々一万、日本武道で八千、小遣い二千が基本で後は外食代、洋服代等etc.
尚、何等かの娯楽施設への外出費用も含める。」
「………………………」
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