▼ 11
「お前が私と一緒の事をしたいなら、親なんていくらでも言いくるめてやる。
どうせ金は有り余ってんのさ、あんなんでも社長だから。」
「……僕、は…」
「つか、お前に武術出来て貰わないと困るんだわ。女の子にコンビでモテる為にも。」
「やっぱりそれが目的か!!」
むしろそれしかねーよ。
つまり私の目的は、ハリーと私でイケメンコンビ結成して女の子にモテる事である。ページ越して引っ張った割にはくだらない。いやくだらなくない。女の子可愛いよ。
という訳で、ハリーと一緒に日本武道することになった。いぇーい。
からのシーズンカット。
「さてハリー。夏は何しようか」
「何で何かすること前提なの」
「私が楽しいから」
頭を抱えるハリーは既に見慣れたものだ。
横目でそれを視認しつつ、何が出来るかを考える。…そうだ、ハリーを否応無く巻き込むなら旅行とかキャンプがいいだろうな。
「…日本行くか」
花火見よう。海で遊ぼう。おねーさんナンパしよう。
「日本!?…いや、君が日本にハマってるのはしってるけど…」
「ハマってるんじゃない。魂の母国だ」
今の時代だとまだヤンキーがいるかな。でも今から更に10年以上前のが多かっただろうし、いても暴走族程度だろうか。
「せっかく日本武道を習ってんだ、日本文化を肌で感じ無くてどうする。」
「あー、スキヤキおいしいよね」
いい感じに日本かぶれになってきたハリーである。そしてヘルシーと言われる豆腐サラダを主食にするダリア(ダドリー)・ダーズリーって、結構な変貌だと思う。
この豚野郎の身体だったものは、面白い具合に改造が進んでるって訳だ。
prev / next