二次 | ナノ


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私の眼は、鏡や写真を通す事は出来ない。つまり自分の流れは『視』えない。
だから気が付かなかった。

けど──マジかよ。顔引き攣るわ。

つまりだ。私は魔法族じゃなかったんだな?

「普通はそういった人は、十歳なんて幼い段階では魔力が発現するほど自身のアストラル体を働きかけさせる事なんて出来ないので、リストには載らないのですけどね。あなたは何故かそれを無自覚に行った。その結果魔力はあなたの中で発現し、あなたは今ホグワーツに居るというわけです。ただのマグル生まれとしてね」

呆然としながらニコス先生の話を聞きつつ、ただのマグル生まれ、という最後の言い回しが引っかかった。アストラルとかハリポタ関連では聞いたことの無い単語が出て来たけどそれは聞かなかった事にする。何だかよく分からなすぎるし。
ニコス先生は私の小さな反応に気がついて、ああ、と補足を入れた。

「原初の魔法使いはあなたや私のように、後々から魔法の力を獲得した存在だったと伝えられているのですよ。歴史の観測者であるエルフの方々によってね。そして彼等は代を重ねるにつれて、魔法の力を肉体や血に、エーテルに結びつける事に成功した……或いは、そうであった魔法生物の血を取り入れた。通常のマグル生まれの方々は皆、そうしたかつての魔法族の方々の子孫に当たります。人が魔法に目覚めてからもう何千年も経つ。祖先に魔法を使えた人が一人も居ない人間など、最早この世には存在しないでしょう」



聞きたい事は山ほどあったわけだが、最初に手を付けた部分が予想異常にデカい岩過ぎたらしい。

頭に整理をつけたくなって、私は早々にこの世界の魔法族の起源がどうたらとか後から魔法に目覚めてどうたら、といった話を打ち切った。
それから、フリットウィックに対してハリー達の巻き込まれている騒動に関して知らせた。
報告した、とか、相談した、ではない。単に知らせた。相手がヴォルデモートを始めとする闇の魔法使いに対抗する大人の魔法使いであるとして。

「君には教育者の才能がありますよ!」

話を聞いたフリットウィックは愉快そうにそう言ったが、反面、どこか落ち着かない表情だった。

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