二次 | ナノ


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そんなこと言い切れる?とハリーは眉間の皺を更に険しくさせた。
こいつは魔法薬学に首ったけではあるが、学問そのものの魅力とそれを教える教師を=で結んだり、教師、或いは魔法薬の作り手としての才能とその人格を同一視したりはしない。
そんな短慮な性格に育てたつもりは無いからな。私も師範代も師範も。

「お前をあの高さから墜落させようってのは、明確な殺意が透けてる。少なくとも試合の妨害程度じゃ済まない事なのは確かだ。さて、審判っつーそれなりに人目に晒される立場でお前を暗殺なんか出来るか?」

「…………、まあ、そうだね」

「噂話で真偽不明の情報だけど、スネイプは闇の魔術に対する防衛術の教職に関心があるらしい。流石に生徒に闇の魔術が使われるのは見過ごせなかったんじゃねえの。だから今回もまたお前に危険が及ぶ事の無いよう、もしあればすぐに対処が出来るように審判を買って出た。お前がよく遭遇するってんなら、こっそりお前に危険が無いか確認してるんだろ。まあ、お前が憎たらしい事には変わりないだろうから、発生する鬱憤を授業で晴らしてんだろうな」

今度こそハリーはなるほど、と呟いた。スネイプの感情と立場をきちんと分けて思考出来たらしい。

原作知識によるネタバレによると、スネイプは初恋の女の子の忘れ形見の命を陰ながら必死こいて守ってるので、なるべく余計な誤解は与えないでおくに限る。
全く、我を忘れて暴走する名付け親よりかはよっぽど理性的な人間だよなァ、スネイプせんせー。



さて、ハッフルパフ戦当日。
私とセレマは前回と同じく、ロン、ハーマイオニー、ドラコに引き摺られるようにして競技場の観客席に座っている。

審判としてフィールドに立つスネイプは、何やら不機嫌そうだった。なんかあったのかね。クィレルの不審な動きを見っけたとか。

「さて、今回のハリーは何をやらかしてくれるかな」

一列後ろの席に座ったドラコが実に楽しそうに呟いている。
それに対して、いつもなら熱くハリーのしでかしそうな事を語り尽くす筈のロンが、今日は何故か「ああ、ウン……」と生返事をした。

奇妙に思って様子を見ると、どうやらロンとついでにハーマイオニーはスネイプを警戒しているらしい。杖をそっと手に構えながら、スネイプの事をじっと見下ろしている。
あるぇ、ハリーこの二人にスネイプの事言わなかったんかい。

今回は得に不穏な事は何も起きず、ハリーが五分で試合を終わらせるというやったら目立つ事をしただけで終わった。いいぞハリー、その調子でイケメンアピールだ!!!

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