二次 | ナノ


▼ 21

ハイパー今更なんだけど、ハリー、ニコラス・フラメル探しだけじゃなくてみぞの鏡のイベントもすっ飛ばしてねえ?大丈夫なんですかね?

新学期開始早々、ハリーは次の試合に向けてクィディッチの練習が始まったらしく、毎日ドロドロになって領に戻って来るようになった。
次の試合は対ハッフルパフで、勝てりゃ寮対抗杯の一位争いに躍り出る事になるらしい。へえ。ついでに、その試合の審判はスネイプせんせーが務めるらしい。へえ。

「反応が薄い」

珍しくジト目になったハリーに、興味ないね、なんて自称1stソルジャーさんの口癖を言い放ったら、頭にゴスっとチョップを喰らった。
いやぁマジで、俺様スポーツ観戦はあんまり興味無いからしょうがないじゃん……。長らく日本の学校生活にどっぷり浸かって生きてきた身としては、寮対抗杯への興味も薄かったりする。

その他、クリスマス休暇前と変わった点として、寮の中でチェスがプチブームになり始めていた。
ロンの趣味がチェスだと知ったハリーがクリスマスプレゼントにチェスセットを選んだところ、およそ魔法界では縁の遠いプラスチックの感触をロンが気に入って、周囲の人間にルールを教えて頻繁にゲームに興じるようになったからだ。
魔法使いのチェスと呼ばれるものもあるが、ルール上に違いは無い。単にチェスセットに自動で駒が動いたり、取られた駒が派手に壊されたり再生したりといった視覚的な効果が付加されてるだけだった。まあ、刺激的な視覚効果って重要だよな。

主にグリフィンドール下級生の間でのプチブームであり、そのブームの火付け役となったロンは誰もがグリフィンドールでは最強、と認識するくらいチェスが強いようだった。

正直あの直情的な性格でチェスみたいなマインドゲーム強いとかマジ?って感じだけど、強いもんは強い。
クィディッチの事といい、一回ハマると極めるまで止まらないタイプなのかもな。

次強は今のところハーマイオニー。まあ、彼女の思考力と集中力を考えると当然の結果。

初心者ばっかりなもんで、後は似たり寄ったりの勝敗数っぽい。
囲碁将棋オセロ派の私とクィディッチの練習でズタボロなハリーはこのチェスブームには乗ってないんで除外。

ちなみに、何故グリフィンドール下級生でのブームなのに、わざわざロンの評価に『グリフィンドールでは』最強、なんて枕詞が付くのかというと。

「チェックだ、ウィーズリー」

「クィーンをC-6へ」

「……、なら、僕はビショップをE-4に」

どうやら上流階級の嗜みとして、こういった遊戯に精通しているらしいドラコがほぼ対等にロンと渡り合っているからである。
勝率としては5.5-4.5くらいでややロンが上回る。多分教養と趣味の違い。なんで、今後場数が増えればロンの最強という称号から余計な枕詞は消えるんじゃねーの。

「……ナイトをF-4。チェックだ」

「スリーフォールド・レピテーションだ。ドローだね」

真横でその試合をジャッジしていたパーシーが口を挟み、はっと集中力を解いたロンとドラコは一斉にテーブルに突っ伏した。

「これでもう三局連続ドローだぞ……」

「……うーん、今日はもう引き分けで決まりかな。ちぇっ、マルフォイの好物を取り上げられると思ったのに……」

掛け勝負だったのかよ。
ともかく、そんな頻度でのドローが続くくらい、今はまだ二人の実力は拮抗してるらしかった。


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