二次 | ナノ


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エロイーズは少々、というか、言葉を一切憚らなければ結構なブス顔だった。その上顔中に結構なニキビが出来ていて、見るだけで蓮コラでも見ているような気分になるという、なかなかSAN値の削られる特徴も併せ持っていた。
基本的におにゃのこ大好きな私も、この顔は流石に手放しでは褒められそうにない。

彼女が顔を隠すようにしているのは、多分そのせいなんだろう。
頬にニキビが出来る思春期ニキビは確か髪とかマフラーの刺激が良くなかった筈なんで、完全に逆効果なんだよなあ。

が、暇潰しを兼ねて彼女と話をしてみると、顔を隠していて見るからに根暗そうな雰囲気とは裏腹になかなか良い奴そうだった。話し方が気持ち良いのだ。

友好の証になると良いけどなと思いつつ、私はそれとなく話題をコントロールして、日本人に学ぶ正しい風呂の浸かり方やら、豆乳の摂取や肌の保湿についてを彼女に幾つか伝えておいた。美容関連はこの年代の女子としては別におかしな話題という程でもないしな。

基本ハーマイオニーに雑学として話題を振るような形にしたので、ハーマイオニーも熱心に聞き入っていた。ハーミー、これ以上可愛くなってどうするん。世界最強の美少女にでもなるん?
まあ、本人にとっても周囲にとっても、見た目が良いことに越した事は無いよな。
終始肩身が狭そうにしていたハリーには悪いことしたトリー。



日の短い真冬とあって、特急が目的地に着いた頃にはすっかり辺りは真っ暗だった。まあ、夏に来たときだって到着したのは夜だったので当然っちゃ当然だ。
ちなみに、ホグワーツ特急の停車するホグズミードの駅とホグワーツ城の間の移動は馬車で行われる。死を見るだか死を理解するだかすると見えるようになるという摩訶不思議肉食馬、セストラルの牽くアレだ。
今のところ、私もハリーもハーマイオニーも、ついでにエロイーズにも見えてないようだった。まあ、死を看取るような機会ってそうそう無いよね。
魔法生物なんで魔力は普通に見えたけどな。いや、普通の魔法使いは見えないのが当たり前だっけ。

「相変わらず、御者も居ないのに自動で動くのね、この馬車」

「マグルの車だって運転手が必要なのにね」

「あと三、四十年もすりゃマグルの車も自動で走るようになるぜ」

「まさか。ダリア、あなたアニメの見過ぎよ」

冗談めかして未来の情報をぺっと出したが、GPS式のカーナビが世に出たばっかりで普及率と知名度がメチャクチャ低いこの時代では、いかに聡明なハーマイオニーと言えどもそんな未来予想は出来ないみたいだった。
マジで自動運転がちょくちょく話題に出るようになるんだけどなー、2010年代。

到着したホグワーツのエントランスで帰校者リストにチェックを入れ、大広間へと向かう。そこでエロイーズとは別れ、移動疲れが出ていた私達は三人で静かに夕食を摂った。

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