二次 | ナノ


▼ 27

フラグを心配した自問にはテンプレートとして問題無い、なんて自答したが、本当に問題無いとは思ってなかったぞ。
次の日の夜、ハリーとロンとハーマイオニー、それからネビルが真っ青な顔で談話室に戻ってきたのを見て、何があったのかすぐに判った。

「お帰り。ああハーマイオニー、顔が青いよ。もう眠ったほうがいい。」

「え、ええ……」

私の勧めに素直に従い、ハーマイオニーはロンを睨みつけてから塔を上がっていった。廊下に入ったのはロンが原因なのか。何したんお前。

「ロンもネビルも、もう寝た方がいい。ハリーに家のことで話があることだし。」

マグルの通信教材をひらひら振ると、ロンは怪訝そうな顔でそれを見た。プライベートな事に口を挟むのは良くないと思ったのかどうかは知らないし、そもそもそんなデリカシーはロンには期待してないが、ロンは珍しくただわかった、と頷いて塔を登っていく。疲れてたのだろう。聞き分けが良くて何より。
ネビルは一言も口を聞く事なく、本当にショックを受けた様子でロンに続いて部屋に戻っていった。

「取り敢えず、これがパパ達と約束した通信講座の課題だ。ヘドウィグが持ってきた。彼女には夕飯に出てたゆで玉子をやっといたけど」

「ありがとう、ダリア。」

差し出した教材を受け取ったハリーに、向かいのソファーを顎でしゃくる。座れ、というジェスチャーに、こいつもまた素直に従った。

「で、どうした?」

端的な質問だが、ハリーは問題なく意図を汲み取る。傍らに置かれたティーポットの温くなった紅茶を自分でカップに注いで啜ってから、ハリーはぽつぽつと夕食の後にあった事を話し始めた。

ロンと自分の箒の才能に関して話していた所、ハーマイオニーがあるトロフィーを見せてくれたこと。それには自分の父親の名前が刻まれていて、ハリーは自分の身体能力が父親譲りである事を初めて知ったらしい。
その帰り、初めて階段が登ってる最中に動いてしまい、うっかりロンに率いられて四階の禁じられた廊下に入ってしまったという。

この前地図を作ったばかりなのに迂闊だった、とハリーは渋い顔をした。自分の親について情報を得て頭が回らなかったそうだ。それだけ冷静な自己分析と反省さえあればお前の年齢なら十分だと思うんだけど。

「そこに、巨大な三頭犬がいたんだ。足元に隠し扉が見えた。三頭犬の性質的にも、扉があったことからも、何かを守ってるんじゃないかと思う。」

「まぁ何を守っていようとどうでもいいが、それってこの間話してたハグリッドが銀行から運んできた何かじゃねえの」

「うん、多分」

育成機関であるはずの学校に三頭犬に守らせるような危険物、あるいは重要な物を置くなんて……とハリーが眉根を寄せた。それに関しちゃ私も完全に同意。
それからネタを知ってる人間として言わせてもらえば、ホグワーツがグリンゴッツより安全なのはダンブルドアがいる時だけだと思える。わざわざ安置させなくても、小さいものなんだからダンブルドアが肌身離さず持ってりゃ万事解決なのに。いや、それじゃダメか。これって確かダンブルドアが考えたハリーのレベル上げの一環なんだもんな。

「何があったのかわかった。他に話したいことは?」

「無いよ」

「よし。んじゃ寝ろ。」

青褪めた顔はハリーも他の子達と一緒だ。もうお互い慣れきった私の短い命令口調に、ハリーはのそのそと寝室に向かっていった。

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