二次 | ナノ


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ホグワーツ初の土日。朝食を摂って暇になった私とハリーは、図書室に行くというハーマイオニー、湖の畔に行くというセレマ、その他それぞれ何かしらの用事があって散っていった連中を見送って、城内の探索をする事にした。まずどこから行くか。全体像もまだよく解ってない。

「地図とか無いのかね?」

「ショッピングモールみたいに階段とかホールにフロアマップ欲しいよね」

私の呟きにハリーが具体案を添えて同意する。私とハリーは一秒間だけ見つめあった。

「僕、方眼紙持ってる。定規とシャーペン持ってくる」

「ああ。私は長さを測れるものを調達する」

こういう時の私とハリーの行動は恐ろしく迅速だ。身を翻したハリーと同時に、ポケットに入った小さな包みを握りしめて教員テーブルに向かった。

「excuse me、ミスター・フィルチ」

食事中はちょくちょく教授陣に用のある生徒が壇上に上がるため、大して気にも止められない。しかし、この一週間見ててわかったことがある。教員席の本当に隅に、時たま控えるように佇むフィルチには誰も声をかけないということだ。

フィルチは非常に驚いたようで、軽く跳び上がるようにしてから私を睨みつけた。いたいけな子供相手になんて顔しやがるんだこいつ。

「巻き尺を貸してもらえませんか。長いやつが必要なんですけれど」

「……何を企んでいるんだ?え?」

「ホグワーツが広いので、測量して地図を作っておこうと思って。」

酷い顰め面ににっこりと返すと、フィルチは私をじろじろと見て、フンとバカにしたように鼻で笑った。

「ハリー・ポッターのイトコだな?マグル生まれの。」

「そうです。」

「……付いて来い。管理人の部屋に8フィート分ほどの奴ならある。」

そう言って踵を返したフィルチに、私はおや、と気付かれないように瞠目した。貸してくれるとは思ってなかったが。
フィルチにこっ酷く断られてからそれを理由に他の教授連中に話をしようと思っていたのに。予想外だが、まぁ貸してくれるならそれに越したことは無い。

ポケットに入れていたのはセレマから前にもらった包みに入っていた菓子類だ。ノートのお礼のやつ。
そのうちの幾つかをフィルチにお礼として渡して、でっかい巻き尺を片手に鼻歌交じりにハリーと合流した。

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