二次 | ナノ


▼ 22

夕食は軽くサラダとスープに少々の肉類を摂るのが普段からの習慣である。幼児の頃太っていたからか、肉の付きやすい身体なのだ。管理を怠れば豚に戻る。娘をクソピザ体質にするとかほんとに今更だがダーズリー夫妻は何考えてんだよ?

「そういえば諸君、もう掲示板を見たかい?」

双子の片方がミートローフから顔を上げた。するともう片方もつられるように顔を上げる。どっちがどっちかはまだ区別がつかない。容姿に違いが見受けられない上、こいつらの性格的な差異がわかるほど親しくもないのでね。今日初めましてしたばっかだからな。

「掲示板?」

ロンが怪訝そうに訊き返し、双子が揃ってそれに頷いた。

「次の木曜から一年生諸君の飛行訓練が始まるんだ」「スリザリン生との合同授業だ。」

「てことはクラスが半数に別れるな。後で見に行ってみるよ。」

親切にも教えてくれた双子に相槌をうちつつ、ふと違和感を覚える。

……原作でこんな流れあったか?

確か、映画だと飛行訓練の授業はシーン切り替えで始まる。だが原作だと、ハリーはその掲示を直接見た気がする。困ったな、細かい描写に信用が無くなってきた。まー殆ど碌に覚えちゃいないのだが。

「箒に乗るのは初めてのやつばかりかな」

双子の片方が周囲の一年生メンバーをぐるりと見回す。ハリー、私、ハーマイオニー、そして驚いたことにセレマがその視線に頷いた。双子のもうかたほうが以外そうに声を上げる。

「セレマは魔法族なのに箒に乗ったことが無いのか?」

「はい。森の中に住んでいるため、箒で飛ぶのに十分なスペースはありませんでしたから」

成る程ね。……そういえば、この世界のエルフはセレマによればトールキンのエルフに近いらしいが、身体能力まであんな風なチート級なんだろうか。後で聞いてみよう。セレマは一見身軽には見えないようで、時たま驚くほど軽やかに動くからなぁ。
とりあえず、星明かりを宿してはいないように見える。映画寄りなイメージだ。

弓と剣が得意ですとか言われたらどうしよう。ハリーと私のコンビネーションでも敵う気がしない。

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